新地金は輸入、再生地金は国内。
国内の圧延製品から始めて、再生地金、輸入の新地金と為替、国際相場へと一段ずつさかのぼる。各段では同じ期間に何が動いたかを並べるだけに止める。
要点
- PRODUCTアルミ圧延製品の指数は2026年7月に184.2(2020年平均=100)、2025年7月から+24.0%。
- IMPORT & FX直近12か月(2025年7月〜2026年7月)の円建て変化+33.6%の内訳は、ドル要因+21.2%・為替要因+10.3%。
- GLOBAL国際相場の局面は上昇・減速中(2026年7月の前年同月比+21.2%、前月は+36.1%)。
川上から川下へ(4段を1枚で)
4本とも同じ基準にそろえた指数。線の色は段の色と同じで、上から順に国際相場・輸入の新地金・国内の再生地金・国内の製品にあたる。同じ画面に並べているだけで、線どうしの関係は判定しない。
製品の公表指数は上がっているか
アルミ圧延製品の国内価格指数
アルミ圧延製品の指数は2026年7月に184.2(2020年平均=100)。2025年7月から+24.0%、2020年平均から+84.2%。
出荷段階の生産者価格の指数であり、実売価格ではない。商社・販売店を経た取引条件、数量、納期による差は含まない。
国内で調達する材料はどう動いたか
新地金(輸入)と再生地金(国内)
新地金は輸入相場に、再生地金は国内相場に載る。別の統計の別の品目であり、比や差は取らない。縦の破線は、収録の始まりが遅い系列の始期。
同じ12か月(2025年7月〜2026年7月)で、国内の材料のうち最も動いたのはアルミニウム合金・同二次合金地金(+44.5%)。
国内のアルミニウム電解(製錬)事業は、日本軽金属 蒲原製造所の終了をもって2014年3月末に 終わった。同所は国内で唯一の製錬拠点であり、以後、新地金は輸入に切り替わっている。 一方、再生地金にあたるアルミニウム合金・同二次合金地金は国内で生産され、国内企業物価指数に 品目として立っている。出典: 日本軽金属 蒲原製造所のアルミニウム電解事業終了に関する発表
輸入段階ではいくらで、為替はどれだけ効いたか
円建ての変化の内訳(暦年ごと)
2020年12月〜2026年7月前年12月から当年12月まで(最新年は最新の共通月まで)の変化率を、ドル建てと為替に分けて積む。逆向きの年は打ち消さず、上下に分かれて伸びる。
アルミニウム地金の輸入物価は2026年7月に円ベース329.4、契約通貨ベース216.4(2020年平均=100)。比は1.52倍で、2020年以降の為替変動の累積にあたる。直近12か月の円建て変化+33.6%の内訳は、ドル要因+21.2%・為替要因+10.3%。
日本銀行は輸入物価指数「アルミニウム地金」に国際通貨基金の一次産品価格を採用し、2か月前の平均値を当てている。作り方の上で、輸入物価指数の山や谷は国際価格より後ろにずれて現れる。
世界の相場はどう動いたか
アルミニウム 国際価格と円換算
印は直近の一定期間における最高値と最低値の月。円換算は同じ月の月中平均レートによる参考値である。
国際価格の前年同月比
2026年7月棒が0より上なら1年前より高く、下なら1年前より安い。棒の高さが前月より伸びているかどうかが、局面の判定に使う手がかりになる。
国際価格は2026年5月の3,658 米ドル/トンから2026年7月に-13.7%。同じ期間にアルミ圧延製品の指数は+10.3%。
アルミニウム用の溶加材は JIS Z 3232 に規定され、A5356 はアルミニウム・マグネシウム系の合金用、A4043 はアルミニウム・ケイ素系の合金用である。いずれも地金に合金元素を加えて作られる。
示せないこと
- 溶接棒・溶接ワイヤの実売価格。ここで扱うのは出荷段階の生産者価格の指数であり、商社・販売店を経た取引価格ではない。
- シールドガス(アルゴン・炭酸ガス)の価格。対応する公表系列を持っていない。
- 原料炭の銘柄別価格。輸入物価指数は品目単位の指数であり、銘柄までは分解できない。
- 輸入プレミアム。地金の受渡条件ごとの上乗せ分は、ここで使う公表系列に含まれない。
- 相場と製品価格の因果関係。系列は並べて示すだけで、どちらがどちらを動かしたかは判定しない。
この数字の読み方
新地金と再生地金で、指数の動きが違うのはなぜか
国内の一次製錬は2014年3月末で終了しており、新地金は輸入に依存している。一方、再生地金にあたるアルミニウム合金・同二次合金地金は国内で生産され、国内企業物価指数に品目として立っている。両者は輸入相場と国内相場という別の系列に載るため、同じようには動かない。
輸入のアルミニウム地金が、国際価格より遅れて動くのはなぜか
日本銀行の輸入物価指数「アルミニウム地金」は、国際通貨基金の一次産品価格を採用し、2か月前の平均値を当てている。作り方の上でさかのぼった時点の価格が入るため、国際価格の山や谷は輸入物価指数側に後ろへずれて現れる。同じ月の値どうしを比べるときは、この作り方の違いを踏まえて読む。
A5356 と A4043 はどう使い分けるのか
いずれもアルミニウム用の溶加材で、JIS Z 3232 に規定されている。A5356 はアルミニウム・マグネシウム系の合金用、A4043 はアルミニウム・ケイ素系の合金用である。地金に加える合金元素の系統が違うため、母材の系統に合わせて選ぶ。本ページで扱う地金の相場は、この合金元素を加える前の段階の材料にあたる。
出典と更新
本ページで扱う系列の出典・単位・収録期間・最終取得を列挙する。