アーク溶接スポットは抵抗スポット溶接とまったく異なる技法だ。電極接触面ではなくトーチ角度と通電時間で溶け込みを制御し、穴あけ防止が最大の課題になる。

アーク溶接スポットで最初に詰まるのは、通電時間の誤解と穴あけだ

アーク溶接スポットという名称を聞いて抵抗スポット溶接を連想する作業者は多く、現場で「スポット溶接やっておいて」と指示されて電極式の装置を探す新人も珍しくないが、実際にはアークを用いた点接合であり、抵抗スポット溶接のように薄板を電極で挟んで通電するものではない。ガスシールドアーク溶接(MAGまたはMIG)やティグ溶接(TIG)でトーチを1箇所に留めて短時間通電し、母材を局所的に溶融させて溶接ビードを形成する技法である。

初心者が最初に陥る失敗は通電時間が長すぎて薄板に穴をあけることであり、抵抗スポット溶接では加圧と冷却速度で溶け込みを制御する一方で、アーク溶接スポットは熱源の位置と時間の管理だけで結果が決まるため、同じ電流でも1秒か2秒かで仕上がりが大きく変わる。母材が薄ければ容易に溶け落ち、逆に通電時間が短すぎると溶け込み不足で剥離し、接合強度が出ない。

もう一つの誤解は、溶接記号の読み方にある。JIS Z 3021の溶接記号で「スポット溶接」として定義されているのは抵抗スポット溶接であり、アーク溶接スポットを表す記号は明文化されていないため、設計図面に「プラグ溶接」と記載された部分をアーク溶接スポットで施工する現場もあれば、単に「すみ肉溶接」として図示される場合もある。結果として施工者が現場判断で技法を選ぶ場面が増え、施工法の認識ズレが検査時に問題視されることもある。

抵抗スポット溶接との決定的な違いは、電極接触の有無と溶融機構だ

抵抗スポット溶接は、上下の電極で母材を挟み込み、大電流を短時間通電して接触面で発生するジュール熱により金属を溶融させる方式であり、溶融部(ナゲット)は両母材にまたがって形成され、冷却後に固相接合する。電極が直接母材に触れるため、電極先端の形状と加圧力が品質に影響する。

対してアーク溶接スポットは、トーチと母材の間にアークを発生させて母材を溶融する方式であり、トーチは母材に接触しない。溶加材が供給される場合は溶融池に溶け込み、溶加材なしで行う場合は母材同士が溶融して接合し、重ね合わせた薄板同士を接合する際には、上板に局所的なビードを形成して下板まで溶け込ませる方式が一般的となっている。

電流制御も異なる。抵抗スポット溶接は数千アンペアの大電流を数サイクル(数十ミリ秒〜数百ミリ秒)通電するが、アーク溶接スポットは数十アンペルから数百アンペアの範囲で、通電時間は数秒単位になるため、電流密度と時間の関係はほぼ逆の発想で扱うことになる。同じ「スポット溶接」という名称でも、溶融の作り方も品質の追い込み方も別物であることが見て取れる。

なぜアーク溶接スポットで穴あけが頻発するのか

薄板の重ね継手をアーク溶接スポットで接合する場合、上板は熱容量が小さいため溶け落ちやすく、トーチ位置が上板の端に近すぎると端部が先に溶けて穴が広がる。電流が高すぎても同様であり、母材の溶融速度が冷却速度を上回ると溶融池が広がって貫通する。

もう一つの原因は、母材の密着不良だ。重ね継手で上板と下板に隙間があると、アークの熱が上板だけに集中して下板に伝わりにくくなり、結果として上板だけが溶けて穴があき、下板との接合が不完全になる。抵抗スポット溶接では電極加圧で密着を強制するが、アーク溶接スポットでは事前クランプに依存するため、クランプが弱ければ熱膨張で隙間が広がり、溶接中に母材がずれる。

溶接電流の設定ミスも頻発する。平板のビード溶接と同じ電流設定で点接合を行うと、アークが定常状態に達する前に通電が終わって溶け込み不足になる場合もあれば、逆に定常状態のまま長時間通電して入熱過多になる場合もあるため、電流と通電時間の組み合わせで決まる総入熱量を前提に、両者のバランスを調整しなければならない。

母材表面の汚れと酸化皮膜が溶け込みを阻害する

母材表面に油脂・塗料・錆があると、アークが安定せず溶融池の形成が不均一になる。特にアルミニウム合金では表面の酸化皮膜が高融点で、母材本体よりも溶けにくいため、酸化皮膜を除去せずに溶接すると溶融池内に巻き込まれて気孔や溶け込み不足の原因になる。アルミの場合は事前にステンレスブラシで表面を研削し、溶接直前に脱脂する必要がある。

鉄鋼材料でも、ミルスケールや黒皮が残っていると溶接部に欠陥が混入する。グラインダーで表面を清掃し、溶接部周辺は金属光沢が出るまで研削するのが基本であり、清掃範囲が狭いと溶融池の広がりとともに汚染物質が巻き込まれるため、清掃範囲は溶融池の予想径の2倍以上確保するという判断が現場の目安になりやすい。

アーク溶接スポットの正しい施工手順

Step 1: 母材の密着と清掃を確実に行う

重ね継手の上板と下板をクランプで固定し、隙間をなくす。クランプ位置は溶接予定箇所から離しすぎると効果が薄れるため、溶接点の近傍で母材を押さえる必要があるが、一方でクランプがトーチの動線を妨げる配置では施工性が落ちるため、固定力と作業空間の両立を見ながら位置を決めることになる。

母材表面は溶接部を中心に清掃する。鉄鋼材料はワイヤブラシまたはグラインダーで錆と酸化皮膜を除去し、アルミニウム合金はステンレス製ブラシで酸化皮膜を研削したうえでアセトンまたは専用脱脂剤で油分を拭き取り、ステンレス鋼も同様にステンレス専用ブラシで清掃する。鉄用のブラシを使うと鉄粉が付着して錆の原因になるため、使用は避けるべきである。

Step 2: 溶接法とシールドガスを選定する

アーク溶接スポットは、ガスシールドアーク溶接(MAGまたはMIG)で行う場合とTIG溶接で行う場合がある。薄板の鉄鋼材料では、MAG溶接(シールドガスCO2または混合ガス)が作業性と速度の面で優位であり、ステンレス鋼やアルミニウム合金では、TIG溶接またはMIG溶接(アルゴンベース)が選ばれる。

シールドガスの選定ミスは溶接欠陥に直結する。鉄鋼材料のMAG溶接でCO2を使う場合、スパッタが多くなるが溶け込みは深く、混合ガス(アルゴン+CO2)を使うとスパッタは減る一方で、ガス流量が不足すると気孔が発生する。TIG溶接では純アルゴンを使用し、流量不足は酸化と気孔を招くため、施工法の選定とガス条件の整合を同時に見なければ安定した結果にはつながりにくい。

Step 3: 電流と通電時間を板厚に応じて設定する

板厚が薄いほど電流を下げ、通電時間を短くする必要があるが、電流が高すぎると溶け落ち、低すぎると溶け込み不足になり、通電時間も長すぎれば溶け落ち、短すぎれば接合不良になるため、両者は独立に調整するのではなく総入熱量として管理するべきである。

MAG溶接の場合、ワイヤ送給速度と電圧を調整して電流を制御する。短絡移行域で施工する場合は電圧を低めに設定し、スプレー移行域では電圧を高めにする。TIG溶接では電流を直接設定できるため、板厚に応じた電流値を選び、溶加材を使う場合はその送給速度も溶け込みに影響する。

通電時間は、アークが安定してから母材が溶融し、上板と下板が一体化するまでの時間を確保する必要がある。目視でビードが形成され、溶融池が適度に広がったところでアークを切るのが基準になるが、タイマー機能がある溶接機なら再現性を上げやすい一方で、手動施工では作業者の観察力と反応の速さが結果を左右する。

Step 4: トーチ角度と狙い位置を調整する

トーチは母材に対して垂直に近い角度で保持する。角度が傾きすぎると、溶融池が偏って片側に入熱が集中し、穴あけのリスクが高まる。狙い位置は上板の中心が基本だが、下板との接合を確実にするため、わずかに下板寄りに狙う場合もある。

アーク長は短めに保つ。アーク長が長すぎるとアークが不安定になり、溶け込みが浅くなるためであり、短絡移行域で施工する場合は短絡とアークの再点弧を繰り返すため、トーチと母材の距離を一定に保つのが難しい。一方でTIG溶接では、タングステン電極と母材の距離を一定に保ちやすく、アーク長の管理がしやすい。

Step 5: 通電後の冷却と検査を行う

溶接後はビードが凝固するまで母材を動かさない。急冷すると割れが発生する場合があるため、特にステンレス鋼や高張力鋼では冷却速度に注意し、薄板の場合は冷却が速いため、予熱が必要な材料では事前に加熱しておく必要がある。

ビードが凝固したら、目視でビード形状と溶け込みを確認する。穴あけや溶け込み不足があれば、電流・通電時間・トーチ角度のいずれかを調整して再施工し、複数箇所を接合する場合は最初の数点で条件を確認してから本施工に移る流れにしておくと、不良の拡大を抑えやすい。

プラグ溶接との違いと図面指示の読み分け方

プラグ溶接は、上板に予め穴をあけておき、その穴を通して下板まで溶接する技法だ。穴の径と深さが図面で指示され、溶接後に穴が溶着金属で埋められる。一方でアーク溶接スポットは上板に穴をあけずに施工するため、外観上の違いが大きい。

図面で「プラグ溶接」と指示されている場合、穴径と位置が明記される。穴をあける工程が必要なため作業工数は増え、アーク溶接スポットで代替する場合は設計者に確認して接合強度が満たされるかを確かめる必要がある。接合強度の計算方法が異なるため、単純に置き換えると強度不足になる場合がある。

JIS Z 3021の溶接記号では、プラグ溶接は専用の記号があるが、アーク溶接スポットは明示されていない。現場では「スポット溶接」と口頭で指示されても、図面上は「すみ肉溶接」や「点付け溶接」として記載されることが多く、点付け溶接は仮溶接として理解される場合もあるため、最終接合なのか仮接合なのかを着工前に明確にしておく必要がある。

母材の組み合わせ別の注意点

鉄鋼材料同士の場合

軟鋼板同士のアーク溶接スポットは、最も施工しやすい組み合わせである。MAG溶接で短絡移行域を使えば、薄板でも安定して接合でき、電流が高すぎなければ穴あけのリスクは低く、通電時間の調整幅も広い。

高張力鋼を使う場合は、予熱と後熱が必要になることがある。特に板厚が厚い場合や、炭素当量が高い鋼種では、急冷による硬化と割れを防ぐために入熱管理を厳密にする必要があり、溶接後の冷却速度が速すぎると溶接部が硬化して脆くなるため、薄板の感覚のまま条件を流用すると不具合につながりやすい。

ステンレス鋼同士の場合

ステンレス鋼は熱伝導率が鉄鋼材料の3分の1程度で、熱が局所に集中しやすい。そのため、同じ電流でも鉄鋼材料より溶け込みが深くなる。電流を下げるか、通電時間を短くして調整する必要がある。

溶接後の変色を防ぐには、裏波側にもシールドガスを流す必要がある。アーク溶接スポットでは裏波側の酸化防止が難しいため、溶接後に酸洗いまたは不動態化処理を行う場合があり、裏波酸化が許容されない用途では、TIG溶接でバックシールドを使う方法が選ばれる。

アルミニウム合金同士の場合

アルミニウム合金は熱伝導率が高く、熱が広がりやすいため、鉄鋼材料より高い電流が必要になる。TIG溶接では交流を使い、クリーニング作用で表面の酸化皮膜を除去しながら溶接し、MIG溶接でも施工可能だが、ワイヤ送給の安定性がTIG溶接より劣る場合がある。

アルミニウム合金のアーク溶接スポットでは、溶接前の清掃が特に重要だ。酸化皮膜が残っていると、溶け込み不足と気孔が発生しやすく、溶接直前にステンレスブラシで清掃して脱脂剤で拭き取る必要がある。時間が経過すると再び酸化皮膜が形成されるため、清掃後は速やかに溶接する。

異種金属の場合

鉄とステンレス、鉄とアルミニウムなど、異種金属をアーク溶接スポットで接合するのは難易度が高い。融点や熱膨張率の差が大きいため、溶接部に割れや剥離が発生しやすく、溶加材の選定も重要で、母材の組成に対応した溶加材を使わなければ脆い金属間化合物が形成される。

鉄とアルミニウムの直接溶接は、実用上は採用しにくい場合が多い。どうしても必要な場合は、爆発圧接や摩擦攪拌接合など、溶融を伴わない技法が選ばれ、アーク溶接スポットで接合する場合は界面に金属間化合物層が形成されて接合強度が低下するため、接合部の設計で強度不足を補う必要がある。

プロと初心者で差が出るのは、溶融池の観察と電流調整の反応速度だ

熟練者は、アークを点弧した瞬間から溶融池の広がり方を観察し、電流が適正かどうかを判断する。溶融池が急速に広がれば電流過多と判断して次の点では電流を下げ、逆に溶融池の形成が遅ければ電流不足と判断して通電時間を延ばすか電流を上げる。

初心者は、ビードが形成されたかどうかだけを見て、溶融池の広がり方や色の変化を観察しない。そのため、穴があいてから気づくか、溶け込み不足に気づかずに施工を進めるという回り道は珍しくなく、溶融池の色は温度を反映しており、赤から白に近づくほど温度が高い。白く光り始めたら溶け落ちる直前のサインとなる。

電流調整の反応速度にも差が出る。熟練者は、最初の1点で電流と通電時間の組み合わせを試し、2点目で微調整し、3点目で安定させるが、初心者は何点も施工してから電流を変える場合が多く、不良品を量産してから気づくことがあるため、最初の数点は試し溶接として扱い、条件を固めてから本施工に入る運用が結果を左右する。

アーク溶接スポットに必要な設備と前提条件

溶接機の種類と機能

アーク溶接スポットには、ガスシールドアーク溶接機(半自動溶接機)またはTIG溶接機を使う。MAG溶接機は、ワイヤ送給装置とガス供給装置が一体になったものが一般的であり、MIG溶接機も同様に、シールドガスをアルゴンベースに変えれば使える。

TIG溶接機は、交流と直流の切り替え機能があるものがアルミニウム合金に対応できる。直流専用機は鉄鋼材料とステンレス鋼に使え、タイマー機能があれば通電時間を自動制御できるため、手動より品質が安定する。

電源容量は、板厚と母材の種類で決まる。薄板の鉄鋼材料なら出力100A程度で足りるが、厚板やアルミニウム合金では200A以上必要になる場合があり、溶接機のカタログに記載された定格使用率も確認する必要がある。短時間の点接合なら定格使用率が低くても問題ないが、連続施工する場合は定格使用率が高い機種を選ぶべきである。

シールドガスとガス供給装置

MAG溶接では、CO2ガスまたは混合ガス(アルゴン+CO2)を使う。CO2ガスは安価でスパッタが多いが溶け込みは深く、混合ガスはスパッタが少なくビード外観が良好である。ガス流量は溶接電流と板厚に応じて調整し、流量が少ないと気孔が発生し、多すぎるとガスの乱れでシールド効果が低下する。

TIG溶接とMIG溶接では、純アルゴンまたはアルゴンベースの混合ガスを使う。ステンレス鋼では純アルゴンまたはアルゴン+水素の混合ガスが選ばれ、アルミニウム合金では純アルゴンが基本となる。ガスボンベの圧力調整器とガス流量計を使い、流量を一定に保つ必要があり、ガス条件の乱れは外観より先に内部欠陥として表れやすい。

クランプと治具

重ね継手を溶接する場合、母材を密着させるクランプが必須だ。C型クランプやバネクランプが使われ、クランプ位置は溶接点の近傍が望ましいが、トーチの動線を妨げない位置に配置する必要がある。

治具は、母材の形状と溶接位置に応じて設計する。量産では専用治具を使い、位置決めと固定を自動化し、試作や少量生産では汎用クランプと簡易治具で対応する。治具の材質は溶接時の熱で変形しないものを選び、鉄製治具は重いが安価で、アルミ製治具は軽量だが高価である。

保護具と換気設備

アーク溶接では、溶接面(遮光度番号9〜13)、溶接用手袋、保護衣が必須だ。溶接ヒュームが発生するため、屋内作業では局所排気装置または全体換気装置を設置する必要があり、労働安全衛生法により溶接ヒュームは特定化学物質に指定されているため、換気と保護具の使用が義務づけられている。

溶接作業を行う作業者は、アーク溶接特別教育を修了している必要がある。特別教育は学科と実技で構成され、修了証が発行される。無資格者が溶接作業を行うと、労働安全衛生法違反として是正指導の対象になる。

欠陥の種類と見分け方

穴あけ(溶け落ち)

薄板の上板に穴があく現象だ。電流過多または通電時間過多が原因で、溶融池が貫通する。穴の周辺には溶融金属が垂れ下がり、ビード裏面に突起が残る場合があるため、対策としては電流を下げるか通電時間を短くし、母材の密着不良も穴あけを助長するためクランプを確実に行う。

溶け込み不足

上板と下板の接合が不完全で、剥離しやすい状態だ。電流不足または通電時間不足が原因で、溶融池が下板まで到達しない。外観上はビードが形成されているように見えるが、破壊試験を行うと容易に剥がれるため、対策としては電流を上げるか通電時間を延ばし、母材表面の汚れも溶け込みを阻害するため清掃を徹底する。

気孔

溶接部内部に気泡が残る欠陥だ。シールドガス流量不足、母材の汚れ、湿気が原因で発生し、外観からは見えにくいが、X線検査や超音波探傷検査で検出される。対策は、ガス流量を適正に保ち、母材を清掃し、溶接棒や溶加材を乾燥させることにある。

割れ

溶接部に亀裂が入る欠陥だ。高温割れは溶接中に発生し、低温割れは溶接後の冷却過程で発生する。高張力鋼や炭素鋼では低温割れが起きやすく、予熱と後熱で冷却速度を遅くする必要があり、ステンレス鋼では高温割れが起きやすいため、溶接入熱を適正に管理する必要がある。

施工後の検査と品質管理

目視検査

ビード形状、穴あけの有無、スパッタの付着状況を確認する。ビードが均一に形成され、穴があいていなければ一次的には合格だが、目視だけでは溶け込み不足や内部欠陥は判定できないため、外観が整っていても条件確認を省く判断は危うい。

破壊試験

試験片を製作し、接合部を引っ張って剥離強度を測定する。規定の強度が出ていれば合格、出ていなければ施工条件を見直す。量産前には必ず破壊試験を行い、溶接条件を確定し、量産中も定期的に抜き取り検査を行って品質が維持されているかを確認する。

非破壊検査

X線検査、超音波探傷検査、浸透探傷検査が使われる。X線検査は内部の気孔や溶け込み不足を検出できるが、設備が高価で検査時間も長く、超音波探傷検査は厚板の内部欠陥に有効だが薄板では感度が不足する場合がある。浸透探傷検査は表面の割れを検出できるが、内部欠陥は見えない。

量産と自動化の可能性

アーク溶接スポットは、ロボット溶接で自動化できる。溶接位置と通電時間をティーチングし、繰り返し精度を高めることで品質が安定し、自動車のボディ溶接では抵抗スポット溶接が主流である一方で、部分的にアーク溶接スポットが併用される場合もある。

ロボット溶接では、トーチの位置決め精度と母材の固定精度が品質を左右する。治具の設計が重要であり、母材のばらつきを吸収できる構造にする必要がある。センサーで母材の位置を検出し、ティーチング位置を補正する機能もあるため、自動化の成否はロボット本体だけでなく周辺治具の完成度にも強く依存する。

手動溶接との比較では、ロボット溶接は品質の均一性に優れるが、初期投資が大きい。少量多品種生産では手動溶接が有利であり、大量生産ではロボット溶接が有利となる。中間的な生産量では、半自動溶接機を使った手動施工とロボット溶接を併用する場合もある。

次にやるべきは、試験片での条件出しだ

アーク溶接スポットを実務で使う前に、試験片で電流と通電時間の組み合わせを確認する。板厚と母材の種類ごとに条件を変え、破壊試験で接合強度を測定し、条件が決まったら施工要領書に記録して作業者に周知する必要がある。

最初の数点は必ず破壊試験を行い、溶け込み深さを確認する。溶け込みが浅ければ電流を上げるか通電時間を延ばし、深すぎれば逆に調整する。条件が安定したら、定期的に抜き取り検査を行い、品質を維持する。

母材が変わる場合や、溶接機を交換した場合は、再度条件出しを行う。同じ設定でも、溶接機の出力特性や母材のロット差で結果が変わる場合があるため、現場では最初の1点を試し溶接として扱い、問題なければ本施工に移る流れを徹底することが再現性の確保につながる。