MONOSCOPE●

[ DATA REPORT ]

人手不足の製造業で、金属加工の求人倍率は3年で3.1倍から2.0倍へ――現場8職種で最大の落差

厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)経済産業省 鉱工業指数(IIP)経済産業省/総務省 経済構造実態調査(製造業事業所調査)厚生労働省 毎月勤労統計調査

この記事の結論

製造業は人手不足だと言われる。その中で、金属製品の製造・加工の仕事だけが、3年で有効求人倍率を1ポイント以上下げた。厚生労働省の一般職業紹介状況で製品製造・加工処理従事者(金属製品)は2022年度の3.12倍から2025年度の1.98倍へ、幅にして−1.14ポイントである。 比べた現場8職種のうち、幅が1ポイントを超えて下がった職種はほかに無い。

ただし1.98倍は、求人が求職者のおよそ2倍ある水準で、人手不足が解消したわけではない。 下げの大きさを率で測り直すと順番は入れ替わる。2022年度を100とした指数で最も下げたのは製品検査従事者(金属製品)の55.2で、製品製造・加工処理従事者(金属製品)の63.5より低い。同じ金属製品でも生産設備制御・監視従事者(金属製品)は2025年度に0.96倍で、1倍を割っている。

月次で見ると、製品製造・加工処理従事者(金属製品)の前年同月差は40か月のうち35か月がマイナスだった。ただし2026年3月からは5か月続けて前年同月を上回っている。製造業の生産指数も同じ時期に106.0から102.1へ動いているが、調査の異なる2つの数字であり、本レポートはその間に因果を置かない。

金属製品の製造・加工の有効求人倍率

3.12→1.98

2022年度→2025年度・倍

製品製造・加工処理従事者(金属製品)

同じ期間の下げ幅

−1.14ポイント

現場8職種で幅が1ポイントを超えた唯一の職種

率(2022年度=100)では63.5

生産設備制御・監視(金属製品)

0.96倍

2025年度・1倍割れ

2024年度に初めて1倍を下回った

01

金属加工だけが3年で1ポイント以上下げた

3.12倍から1.98倍へ幅−1.14ポイント。他の7職種は下げても1ポイント未満で、2職種は上がっている

有効求人倍率は、ハローワークに出ている求人の数を、仕事を探している人の数で割った値である。 1倍を超えていれば求人の方が多い。厚生労働省は職業別の倍率を毎月公表しており、 本レポートは現場の仕事にあたる8つの区分を取り出した。生産工程が4区分(生産工程従事者と、その内数である金属製品の3区分)、建設・採掘が1区分、 輸送・機械運転が2区分(輸送・機械運転従事者と、その内数の自動車運転従事者)、 運搬・清掃・包装等が1区分である。まず年度の値で、2022年度と2025年度を職種ごとに上下に並べる。

現場8職種の有効求人倍率(2022年度と2025年度)

2022–2025年度厚生労働省
2022年度2025年度(金属製品の製造・加工)2025年度(その他)

並び順は職業分類のまとまり(生産工程→建設・採掘→輸送・機械運転→運搬・清掃・包装等)で、値の大小による順位ではない。棒の長さは全職種で同じ目盛り(ゼロ始点)にそろえている。各職種の下段に、2時点の差(幅・単位はポイント)を添えた。

製品製造・加工処理従事者(金属製品)の幅−1.14ポイントは8職種で唯一1ポイントを超えるが、2025年度でも1.98倍で1倍を大きく上回る。人手が余りはじめたのではなく、突出していた水準が縮んだと読むのが正確である。

製品製造・加工処理従事者(金属製品)の幅−1.14ポイントに対して、生産工程従事者は−0.40ポイント、建設・採掘従事者は−0.15ポイント、運搬・清掃・包装等従事者は−0.10ポイントである。輸送・機械運転従事者は+0.06ポイント、自動車運転従事者は+0.20ポイントで、こちらは上がっている。 人手不足の話題でよく並べられる建設・採掘と輸送の仕事は、3年たっても倍率の水準をほぼ保った。目立って下げたのは生産工程の側で、 その中でも金属製品の製造・加工の幅が飛び抜けている。

年度の値は1年を均した数字なので、どの時点から下げたのかは見えない。 月次に分解して、製品製造・加工処理従事者(金属製品)、生産工程従事者、建設・採掘従事者の3本を同じ図に置く。1倍の位置には基準線を引いた。

有効求人倍率の月次推移(原数値)

2022年4月–2026年7月厚生労働省
製品製造・加工処理従事者(金属製品)生産工程従事者建設・採掘従事者

季節調整のない原数値である。前後の月の差には季節の波が含まれるため、月どうしの比較は次の図の前年同月差で行う。破線は1倍の基準線。

製品製造・加工処理従事者(金属製品)は2022年12月の3.38倍を頂点に下げたが、52か月で一度も1倍を割っていない。生産工程従事者との差は2022年4月の1.19ポイントから2026年7月の0.52ポイントへ縮み、金属加工だけが突出して高い状態は薄れた。

製品製造・加工処理従事者(金属製品)の月次の最高は2022年12月の3.38倍、最低は2025年6月の1.90倍である。最低の月でも1倍は大きく上回っている。生産工程従事者との差は、2022年4月に1.19ポイントあったものが2026年7月には0.52ポイントになった。 金属加工は生産工程の中でも求人が特に集まる仕事だったが、その差が3年あまりで半分以下になったことになる。一方、建設・採掘従事者は2026年7月も4.99倍で、 水準がまるで違う。

原数値の線は季節の波を含むため、山と谷の位置だけで勢いを判断することはできない。 そこで同じ月どうしの差、つまり前年同月差を棒にする。棒が0より下なら前の年の同じ月より低く、 上なら高い。

製品製造・加工処理従事者(金属製品)の前年同月差

2023年4月–2026年7月厚生労働省
前年同月差(ポイント)

各月の倍率から、12か月前の同じ月の倍率を引いた値(本レポートの計算値)。単位は倍率の差(ポイント)で、率ではない。棒はゼロ始点。

前年同月を下回った月は40か月中35か月で、最も大きい下げは2023年12月の−0.98ポイントだった。2026年3月以降は前年を上回っており、下げ続ける局面ではなくなったが、2.11倍は2022年度の3.12倍にはまだ遠い。

2023年4月から2026年7月までの40か月で、製品製造・加工処理従事者(金属製品)の倍率が前年の同じ月を下回った月は35か月ある。 下げが最も大きかったのは2023年12月の−0.98ポイントで、 1年で1ポイント近く下げた月があったことになる。一方で2026年3月からは5か月続けて前年を上回り、2026年7月は+0.20ポイントだった。 下げ続ける局面は、少なくとも足元では止まっている。ただし水準は2.11倍で、2022年度の3.12倍に戻る動きと呼べるほどの幅ではない。

02

金属製品の中では、率で最も下げたのは製品検査だった

2022年度=100で製品検査従事者(金属製品)は55.2、製造・加工は63.5。生産設備制御・監視は0.96倍で1倍を割った

金属製品の仕事は、職業分類では3つの区分に分かれている。製品をつくり加工する製品製造・加工処理従事者(金属製品)、機械や設備を動かし監視する生産設備制御・監視従事者(金属製品)、 できた製品を検べる製品検査従事者(金属製品)である。いずれも生産工程従事者の内数にあたる。3区分の年度値を棒で並べ、1倍の位置に線を引く。

金属製品3職種の有効求人倍率(年度)

2022–2025年度厚生労働省
製品製造・加工処理従事者(金属製品)生産設備制御・監視従事者(金属製品)製品検査従事者(金属製品)

3区分とも生産工程従事者の内数である。棒はゼロ始点、破線は1倍の基準線。

3職種とも2022年度から下げたが、行き着いた先は違う。生産設備制御・監視従事者(金属製品)は2024年度に0.98倍と1倍を割り、2025年度も0.96倍で、同じ金属製品でも求人が求職を下回る仕事がある。

2025年度の値は、製品製造・加工処理従事者(金属製品)が1.98倍、製品検査従事者(金属製品)が1.07倍、生産設備制御・監視従事者(金属製品)が0.96倍である。2022年度には3区分とも1倍を大きく超えていた。 その後、生産設備制御・監視従事者(金属製品)は2024年度に1倍を割り、製品検査従事者(金属製品)も1倍すれすれまで下げた。 製造・加工だけが、下げたあとも2倍近い水準を残している。 金属製品の仕事をひとまとめにして「人手が足りない」と言うと、 設備の制御・監視や検査の仕事の実態を取り違える。

年度の値を月次に分解すると、1倍を割った時期がもう少しはっきりする。3区分の月次の線を重ねる。

金属製品3職種の有効求人倍率(月次・原数値)

2022年4月–2026年7月厚生労働省
製品製造・加工処理従事者(金属製品)生産設備制御・監視従事者(金属製品)製品検査従事者(金属製品)

季節調整のない原数値である。前後の月の比較はせず、1倍の基準線(破線)との位置関係だけを見る。

生産設備制御・監視従事者(金属製品)は52か月のうち18か月、製品検査従事者(金属製品)は4か月で1倍を下回った。製造・加工が1倍を割らない一方で、残る2職種は1倍の線の上下を行き来しており、同じ金属製品の現場でも人手の集まり方が分かれている。

製品検査従事者(金属製品)の月次は2022年12月の2.13倍が最高、2024年6月の0.95倍が最低で、52か月のうち4か月は1倍を下回った。生産設備制御・監視従事者(金属製品)は最高が2022年12月の1.81倍、最低が2024年5月の0.87倍で、 1倍を下回った月は18か月ある。 前年同月差で見ると、2026年7月は生産設備制御・監視従事者(金属製品)が+0.11ポイント、製品検査従事者(金属製品)が+0.12ポイントで、どちらも前年を上回った。

ここまでは倍率の幅で比べてきた。ただし幅は、もともとの水準が高い職種ほど大きく出る。2022年度に3.12倍あった製造・加工と、1.94倍だった検査では、同じ割合で下げても幅が違う。そこで8職種すべてを2022年度=100の指数に置き換え、率で比べ直す。

現場8職種の有効求人倍率の指数(2022年度=100)

2022–2025年度厚生労働省
製品製造・加工処理従事者(金属製品)製品検査従事者(金属製品)その他6職種

各職種の年度値を2022年度の値で割って100を掛けた本レポートの計算値。水準の違う職種どうしで、下げた割合(率)を同じ目盛りで見るための図である。破線は100の基準線。

幅で最も下げたのは製造・加工だが、率では製品検査従事者(金属製品)が55.2まで下げて最も大きく、製造・加工は63.5である。どの職種が最も冷えたかは、幅と率のどちらで測るかで答えが変わる。

2025年度の指数は、製品検査従事者(金属製品)が55.2、生産設備制御・監視従事者(金属製品)が61.1、製品製造・加工処理従事者(金属製品)が63.5、生産工程従事者が79.4である。率で見ると、金属製品の3区分はそろって大きく下げており、その中で最も下げたのは検査である。 生産工程の外では、建設・採掘従事者が97.1、輸送・機械運転従事者が102.9、自動車運転従事者が108.4、運搬・清掃・包装等従事者が87.3で、100の近くにとどまる。本レポートのタイトルにある「最大の落差」は幅の話であり、 率の話ではない。この区別を外すと、同じデータから逆の結論が出る。

03

製造業の生産指数は、同じ時期に106.0から102.1へ動いた

2022年4月から2026年3月の48か月で98.1〜107.6。調査が異なるため並べて置くだけにとどめ、因果は読まない

求人倍率の動きと並べて見ておきたいのが、製造業がどれだけ生産したかである。 経済産業省の鉱工業指数(IIP)は、2020年を100として製造工業の生産量を毎月指数にしている。 季節調整済の値であり、原数値の求人倍率とは季節の扱いも違う。 まず2018年1月からの全期間を見る。

製造工業の生産指数(鉱工業指数・季節調整済)

2018年1月–2026年3月経済産業省
製造工業

単位は指数(2020=100)。求人倍率とは調査も単位も異なるため、同じ図には重ねていない。

生産指数は2020年5月の86.7を底に戻したが、2026年3月は102.1で、2018年10月の116.4には届いていない。求人倍率の系列が始まる2022年4月は、この戻りの途中にあたる。

全期間の最高は2018年10月の116.4、 最低は2020年5月の86.7である。 求人倍率を比べている2022年4月以降は、この底から戻ったあとの時期にあたる。 次に、求人倍率と同じ期間だけを切り出す。生産指数は2026年3月分までしか収録していないため、重なるのは2022年4月から2026年3月の48か月である。

製造工業の生産指数(求人倍率と同じ期間)

2022年4月–2026年3月経済産業省
製造工業

前の図から期間だけを切り出した。縦軸は前の図と同じ目盛りにそろえ、変化を大きく見せる拡大はしていない。求人倍率とは別の図に置き、二軸の重ね描きはしない。

この48か月の生産指数は98.1から107.6の幅に収まる。同じ期間に製品製造・加工処理従事者(金属製品)は3.06倍から2.08倍へ動いたが、調査の違う2本を並べても、どちらがどちらを動かしたかは言えない。

重なる48か月の生産指数は、2022年4月の106.0から2026年3月の102.1へ動いた。最高は2022年8月の107.6、最低は2024年1月の98.1である。同じ期間の終わりにあたる2026年3月の製品製造・加工処理従事者(金属製品)は2.08倍だった。

04

輸送・運搬の現場職は、金属加工ほど下げていない

2022年度→2025年度の幅は輸送・機械運転従事者+0.06ポイント、自動車運転従事者+0.20ポイント、運搬・清掃・包装等従事者−0.10ポイント

製造の外にある現場の仕事と比べる。自動車運転従事者は輸送・機械運転従事者の内数で、トラックやバスの運転の仕事がここに入る。運搬・清掃・包装等従事者は、 荷物の運搬や清掃、包装の仕事である。3区分の月次を重ね、1倍の線を引く。 自動車運転は輸送・機械運転の一部なので、2本を足し合わせたり順位を付けたりはしない。

輸送・運搬の現場職の有効求人倍率(月次・原数値)

2022年4月–2026年7月厚生労働省
自動車運転従事者輸送・機械運転従事者運搬・清掃・包装等従事者

自動車運転従事者は輸送・機械運転従事者の内数である。季節調整のない原数値で、破線は1倍の基準線。

自動車運転従事者は2026年7月も2.53倍で、2022年度から水準を保った。運搬・清掃・包装等従事者は52か月すべてで1倍を下回っており、同じ現場の仕事でも、求人が求職を上回る職種と下回る職種がはっきり分かれる。

自動車運転従事者は2026年7月に2.53倍、輸送・機械運転従事者は2.06倍、運搬・清掃・包装等従事者は0.65倍である。 年度でみた幅は、輸送・機械運転従事者が+0.06ポイント、自動車運転従事者が+0.20ポイントで上がっている。運搬・清掃・包装等従事者は−0.10ポイントで、もともと1倍を下回る水準のまま小さく下げた。 運転の仕事が人手不足の代表として語られる一方、同じ現場でも荷物を運び包む仕事は、 求人より求職者の方が多い状態が続いている。

では前年同月差で見たとき、下げが続いたのは生産工程だけなのか。生産工程従事者、建設・採掘従事者、輸送・機械運転従事者、運搬・清掃・包装等従事者の4区分の前年同月差を、0の線を挟んで並べる。

現場4区分の前年同月差

2023年4月–2026年7月厚生労働省
生産工程従事者建設・採掘従事者輸送・機械運転従事者 / 運搬・清掃・包装等従事者

各月の倍率から12か月前の同じ月の倍率を引いた値(本レポートの計算値)。単位はポイント。破線は0の基準線。輸送・機械運転(細いグレー)と運搬・清掃・包装等(グレーの破線)は同系色で示す。

前年を下回った月数は生産工程従事者32か月、運搬・清掃・包装等従事者31か月、建設・採掘従事者28か月、輸送・機械運転従事者20か月で、前年割れが続いたのは生産工程に限らない。金属加工が際立つのは月数ではなく下げの幅で、最大−0.98ポイントは4区分のどの月より大きい。

40か月のうち前年を下回った月は、生産工程従事者が32か月、運搬・清掃・包装等従事者が31か月、建設・採掘従事者が28か月、輸送・機械運転従事者が20か月である。前年割れの月が多いという点では、生産工程も運搬も建設もそれほど変わらない。 違うのは下げの深さで、4区分の前年同月差の最小は生産工程従事者が−0.33ポイント、建設・採掘従事者が−0.30ポイント、輸送・機械運転従事者が−0.15ポイント、運搬・清掃・包装等従事者が−0.10ポイントにとどまる。製品製造・加工処理従事者(金属製品)の−0.98ポイントはそのどれよりも大きい。 現場の仕事全体がゆるやかに前年を下回るなかで、金属加工だけが深く下げた、というのが3年あまりの数字の形である。

05

だから何が言えるのか

金属加工はいまも求人が求職の2倍近いが、職種と時点によって差が大きい

ここまでの数字から、金属加工の現場で働く人が判断に使えることを3つにまとめる。

1つ目は、水準はまだ高いということである。製品製造・加工処理従事者(金属製品)は2025年度も1.98倍で、2026年7月は2.11倍だった。下げ幅が8職種で最も大きいからといって、 求人が求職を下回ったわけではない。転職や条件交渉の場面で「人手が足りない仕事である」 という前提は、いまも数字で裏付けられる。

2つ目は、金属製品の中でも職種で差が大きいということである。生産設備制御・監視従事者(金属製品)は2025年度に0.96倍、製品検査従事者(金属製品)は1.07倍で、どちらも1倍の近くにいる。 自分の仕事がどの区分に入るかで、求人の集まり方は違う。 率で見れば検査の仕事が最も大きく下げている点も、職種を選ぶときの材料になる。

3つ目は、足元の動きは単純な下げではないということである。製品製造・加工処理従事者(金属製品)の前年同月差は40か月のうち35か月がマイナスだったが、2026年3月からは5か月続けてプラスである。どちらに向かうかを本レポートは予測しないが、「下がり続けている」とも「戻った」とも言い切れない時期にある。

参考までに、金属製品の仕事をめぐるお金の規模を置いておく。経済産業省・総務省の経済構造実態調査によると、2023年の金属製品製造業の付加価値額は6兆4,610億円で、製造業計の5.8%にあたる。人件費(派遣受入れの支払いを含む)は2兆7,140億円で、製造業計の7.2%である。また毎月勤労統計調査の製造業(事業所規模5人以上)の現金給与総額は、月平均で2022年の391,169円から2025年の430,282円へ10.0%上がった。

[ FAQ ]

よくある質問

A

そうではない。厚生労働省の一般職業紹介状況には「溶接」だけを切り出した職業区分が無い。本レポートは製品製造・加工処理従事者(金属製品)を、金属加工の需給を表す代理指標として使っている。この区分に金属溶接・溶断の仕事が含まれるという根拠は、データを取り込んだ統計基盤の注記だけで、厚生労働省の職業分類の一次資料では確かめていない。また、この区分には溶接以外の金属加工の仕事も入る。したがって本レポートの数字を、溶接工の求人倍率そのものとして読むことはできない。

A

本レポートの月次の有効求人倍率は原数値で、季節調整がかかっていない。求人や求職の出方には年度替わりなどの季節の波があり、前の月との差にはその波がそのまま入る。そこで月次の動きは、同じ月どうしを比べる前年同月差(ポイント)で見ている。本文で「2026年7月は前年同月を+0.20ポイント」のように書いているのはこの差である。前後の月を並べて「上がった」「下がった」とは書いていない。

A

同じではない。本レポートの「落差」は幅、つまり倍率の差(ポイント)を指す。幅で最も大きく下げたのは製品製造・加工処理従事者(金属製品)で、2022年度の3.12倍から2025年度の1.98倍へ−1.14ポイントである。一方、2022年度を100とした率(指数)で最も下げたのは製品検査従事者(金属製品)の55.2で、製品製造・加工処理従事者(金属製品)の63.5より低い。もともと倍率が高い職種ほど、同じ率で下げても幅は大きく出る。どちらで比べたかを明示しないと、同じデータから逆の結論が出る。

A

有効求人倍率は、ハローワークに出ている有効求人数を有効求職者数で割った値である。1倍を割るとは、その職種で求人の数が求職者の数を下回っている状態を指す。生産設備制御・監視従事者(金属製品)は2024年度に0.98倍となり、2025年度も0.96倍である。ただし倍率は分子の求人と分母の求職の両方で動く。倍率が下がったことだけからは、求人が減ったのか、求職者が増えたのかを区別できない。本レポートは求人数と求職者数を分けて取得していないため、「需要が減った」とは書いていない。またハローワークを通さない採用はこの統計に入らない。

A

求人倍率は厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」で、本レポートが使った表は「職業別労働市場関係指標(実数)(平成21年改定)(令和4年4月~)」(ファイルID 000040492571、公表日 2026-08-28)である。月次の統計で、本レポートは2026年7月分までを収録している。製造業の生産指数は経済産業省の鉱工業指数、事業所の付加価値額と人件費は経済産業省・総務省の経済構造実態調査、製造業の賃金は厚生労働省の毎月勤労統計調査による。本レポートは公開時点で完結しており、以後の公表値で数字を更新しない。

[ SOURCES ]

出典と注記

本レポートの数値は、下記の公表統計から機械的に抽出した値のみを用いている。 推計・補間は行っていない。前年同月差と指数は、公表値から本レポートが計算した値である。

本レポートはAIを活用して作成し、編集部が数値と出典を確認している。 差と指数の計算は公開前の抽出処理で完結しており、本文の数値は元データから機械的に整形している。 免責事項は本ページ末尾に記載している。

  • 厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
  • 経済産業省 鉱工業指数(IIP)
  • 経済産業省/総務省 経済構造実態調査(製造業事業所調査)
  • 厚生労働省 毎月勤労統計調査

統計上の注記

  • 有効求人倍率は原数値(季節調整なし)・パートタイムを含む常用。月次の前後比較は前年同月差で行う。
  • 一般職業紹介状況に「溶接」単独の職業区分は無い。製品製造・加工処理従事者(金属製品)を金属加工の代理指標とする。この区分に金属溶接・溶断が含まれることの根拠は上流データの注記のみで、一次資料では未確認。
  • 職種の階層はそろっていない。金属製品の3区分は生産工程従事者の内数、自動車運転従事者は輸送・機械運転従事者の内数である。職種間の順位は出さない。
  • 対象期間は2022年4月以降(職業分類の改定後)。それより前の系列とは接続しない。
  • 求人倍率と同じチャートには載せない。並べる場合は別のチャートにする。
  • 指数は季節調整済、求人倍率は原数値で、季節の扱いが異なる。
  • 事業所データは産業分類(どの産業の事業所か)、求人倍率は職業分類(どんな仕事か)で、対象の切り方が異なる。結びつけて読まない。
  • 事業所データは2023年実績の1時点のみで、時系列ではない。
  • 毎月勤労統計の年値は12か月の月平均で、年間総額ではない。

一次データ

本レポートのチャートと数値は、リポジトリ内の中間データをビルド時に読み込んで描画している。前年同月差と指数の計算はその抽出処理に固定されており、ページ側では幅(2時点の差)以外を計算していない。

このデータを引用する場合
出典: MONOSCOPE「人手不足の製造業で、金属加工の求人倍率は3年で3.1倍から2.0倍へ――現場8職種で最大の落差」 https://www.monoscope.jp/data/reports/metal-job-ratio-gap-2026/

グラフ・データの引用は出典リンク付きでご自由にどうぞ(CC BY 4.0準拠)